(2)相続税の軽減と支払資金の捻出のための対策 (有限会社住宅宝庫 賃貸・売買のクラスモ西院店)
2020年07月13日
相続税についてみると、基礎控除額の4割削減によって、これまでめぼしい資産が自宅の土地建物程度あって、
相続税じゃ関係がないと思っていた人たちも、相続税がかか時代となりました。
ところで、民法上は遺産分割に期限はありません。遺産分割の話合いがまとまらなければ、いくら時間をかけて
もよいし、家庭裁判所の手続きを利用することもできます。
しかし、遺産分割の長期間を費やすと、相続税の観点からは、3つの不利益が生じます。
1つめは、相続発生から10か月後という相続税納付期限になっても、財産の権利の帰属が決まらず、その財産
に対する地位が安定しないことです。相続税の支払いは、期限が相続発生から10か月後、現金一括払が原則であ
り、10か月以内に分割の協議がまとまらなかったとしても、遺産分割協議の成立をまたずに、いったん法定相続
分どおりに相続したものとした申告と納付をしなければなりません。法定相続分のとおりに相続したものとして取
扱ったとしても、これは暫定的なものであって、後日の調整を要することにまります。
2つめは、分割の協議がまとまらないと、預貯金をおろすことができず、相続税支払原資を得ずらいことです。
普通、税金支払の原資は預貯金であるところ、名義人が死亡した場合には、預貯金は凍結されてしまします。遺産
分割を完了させ、必要書類を整えなければ、預貯金を引き出せず、相続税の原資を確保することができません。分
割協議がまとまっていなくても、全員の同意があれば未分割の状態でも預金を下ろすことをみとめてくれる金融機関
みありますが、財産の分け方が決まらなくて揉めているケースでは、「そんなことしたら兄貴が勝手に使うんじゃな
いか」など、疑心暗鬼も生まれ、「とりあえず相続人代表の口座を作って預金を下ろそう」という提案に相続人の全
員の同意を得ることも、容易ではないでしょう。
3つめは、相続税負担が軽減される特例が使えないことです。相続税を支払うにあたっては、自宅の土地の評価額
を8割引きできると言う小規模宅地等の評価減や、配偶者にはほとんど相続税がかからないという特例が定められて
います。しかし、申告期限までに遺産分割が整っていなければ、これらの特例を利用することができません。申告期限
から3年以内に遺産分割協議がまとまれば、多く納め過ぎた税金は返してもらえますが、仮に相続税の支払期限までに
分割の話合いがまとまらなかったときには、特例を受けない場合の相続税をきちんと払わなければならなくなります。
相続対策として生前から納税資金の準備をしておくこと、および、遺産分割協議が難航しないような準備をしておく
ことが有用です。